アーモンドってこんなに高かったっけ?ちょっと前は、もう少し買いやすい値段だったような・・・
アーモンドが高い理由って何?どうして値上がりしたの?
アーモンドを毎日の生活に取り入れようと思ったのに、この値段だと毎日食べるのはお財布に優しくないですよね。
そうなんです。アーモンドの価格はこの5年間で、なんと2倍以上に跳ね上がっているんです。
これ、現代のゴールドラッシュと言われているほどで、アメリカカリフォルニアのアーモンド生産者たちは大成功を収めました。
では、どうしてアーモンドの価格が上がったのでしょうか?
それは、需給の問題なんです。
今回は、需給問題がなぜ起こったのか、アーモンドの価格が高くなった理由をご紹介します。
アーモンドの高騰によって何が起こっているのか、本当の価値を確かめてみてください。
アーモンドはなぜ高い?その値上がりの理由は3つ
日本でもアーモンドが以前より人気になったように、その現象は世界でも起きています。
世界で消費されるアーモンドの82%はアメリカで生産されているんですが、そのアーモンド人気の火付け役になったのも、生産量トップのアメリカの州なんです。
アーモンド人気は優れた宣伝広告から
アーモンドと言えば、ちょっと前までは「カロリーが高くて太る」というイメージが定着していた「おつまみ」でしたが、今ではちょっとした健康食品のような扱いに変わっていますよね?
ヨーロッパでもスペインなど地中海地域では、古来よりアーモンドが料理やお菓子に欠かせないものとして扱われていましたが、世界中にアーモンド人気が広がったのはごく最近です。
アーモンドに価値があるイメージが定着したのは、実はカリフォルニアのアーモンド協会などによる研究、宣伝広告によるものなんです。
その研究は10年以上の歳月をかけ、現在でも続けられています。
カリフォルニアアーモンド協会は、カリフォルニアアーモンドのマーケティングとその資金協力、研究への投資、栽培や安全性の確保などで、さらなる市場拡大に取り組んでいる組織です。
アーモンド研究においては、大学や研究施設と連携して最新の研究結果を公表しています。
アーモンドの市場価格には一切関与していないのですが、市場調査やプロモーション活動、統計分析に携わっています。
このカリフォルニア州の宣伝広告により、アーモンド人気は世界へと広がっていったわけです。
健康食品ブームで需要が拡大
アーモンドの栄養価や効果が明らかになり、日本でも消費量が5割以上も増えたのですが、中国やインドでの消費も急増しています。
アーモンドの人気が高まり、需要が増え続けているというのが、アーモンドの値段が高い理由の一つです。
アーモンドの生産は天候に左右される
アーモンドが健やかに育つには、冬場寒すぎず春は穏やかな天候が続くなど、急激な気温の変化が少ない地域に限られます。
カリフォルニア州は、アーモンドの木が育つのに適した気候だと言えます。
アーモンド人気で需要が伸びていることで、カリフォルニアのアーモンド農家は農地を拡大して対応してきました。
しかし、アーモンドの生産は、他の果実と同じように天候に左右されます。
カリフォルニアは2011年から2017年の間、大干ばつにみまわれ、水不足が深刻になりました。
1000年に一度と言われたその大干ばつは終息しましたが、長期的に見ると過去20年間ずっと干ばつ状態は続いています。
その影響から生産量が落ちたことが、アーモンドの価格が上がった理由の2つ目です。
アーモンドの価格高騰で起こったこと
アーモンドの運搬は貨物トラックによって行われます。
このトラック1台分のアーモンドの価格は、160,000ドル以上の価値があるんです。1ドルが105円として、1,680万円の価値・・・
この価格によって盗難が相次ぎ、アーモンド農家の利益を大幅に減少させています。
業界ではドライバーの指紋、免許証やトラックの写真などを記録して対応していますが、警戒を強めることで信頼関係に亀裂が生じているようです。
また、需要の拡大、生産減少の動きが、アーモンドを人気投資商品に押し上げました。
現在ではその価格も安定していますが、価格が高騰した影響は未だ続いています。
カリフォルニアアーモンドの高騰は異常
スペインは、アメリカに次いでアーモンド生産量世界第2位です。(3位のオーストラリアと入れ替わることも)
と言ってもアメリカの生産量には全く及ばず、アメリカの10分の一程度。
近年、大干ばつによるカリフォルニアアーモンドの不作により、スペインアーモンドへの投資が増えたんですね。
しかし、カリフォルニアアーモンド生産量の安定により、その投資が急激に減少しスペインアーモンドの生産にも影響を与えています。
また、スペインでもカリフォルニアアーモンドの輸入を行っており、その価格はスペイン産のものよりも高いという謎の現象が起こっています。
しかし、スペインアーモンドの価値は、その品質にあります。
実はカリフォルニアアーモンドとスペイン産アーモンドには、味や香りだけでなく、栄養価の違いもあるのです。
スペインではアラゴン、アンダルシア、ラ・マンチャ、バレンシア、ムルシアなどで伝統的な品種や新しい品種が栽培されています。
生産量は少ないものの、マヨルカ島のアーモンドは、オレイン酸とリノール酸の含有量が日本に輸入されている通常のアーモンドの3割以上という研究結果が出ています。
アーモンドの値段が高くなっている今、その価格には、その値段分の価値があるのか?本当の価値がどこにあるのか見極める力も必要になってきていますね。
日本では輸入量の少ないスペイン産アーモンドですが、その美味しさと栄養価、品質の良さを一度味わってみてください。