アーモンドはアンチエイジングのビタミン、若返りの栄養素として知られるビタミンEを豊富に含んだ食品なのはご存じかと思います。
何か美容に良いって聞いたことがあるから、食べるようにしているんだけど・・・
そんな方も多いかと思いますが、実はその若返り効果が、2019年に発表されたカリフォルニア大学の実験でも明らかになったんです。
その実験では、アーモンドを摂取することで、しわの幅が10%、重症度が9%も軽減するという結果が出ました。
では、気になる実験内容とアーモンドのシワ軽減効果を見てみましょう。
アーモンドを食べるとシワが軽減された!
この実験は、閉経後の女性が16週間アーモンドを一定量食べるという内容から、導き出された結果になります。
その食べ方は、ナッツ類を含まない間食の代わりに、アーモンドを毎日1日の合計カロリー摂取量の20%を摂取するというものです。
1日に2000kcal摂取する女性の場合、おやつにアーモンド400kcalを食べ、ナッツ類を含まない食事で1600kcal摂取することになりますね。
実験前から16週間の実験終了後までの画像を分析し、その結果得られたのは
- シワの幅が10%減少
- シワの重症度が9%減少
また、肌のバリア機能に関しては特に改善は見られなかったそうです。
どうやって実験されたの?
カリフォルニア大学デービス校の皮膚科医が、アメリカ人の白人女性を対象に行った実験です。
アジア人での研究も進められているそうですが、今回の結果はあくまでもアメリカ人女性での結果になります。
- 日に当たると必ず赤くなり、日焼けをしない
- 日に当たるといつも赤くなり、日焼けは最小
2つのスキンタイプで、閉経後の健康な女性28人(53歳~80歳)を対象に行った実験です。
この28人を2つのグループに無作為に振り分けました。
- 1日の合計カロリー摂取量の20%に相当する約60gのアーモンドを摂取するグループ
- 同カロリーのナッツを含まないシリアルバーやエナジーバーを摂取するグループ
食事のウォッシュアウト期間は4週間。
調査期間中は、ナッツ類やナッツを含む製品を摂取しないこと、それ以外は通常の食事を継続することが条件です。
検査の結果は、調査開始時、4週間経過時、8週間経過時、12週間経過時、16週間経過時に
- 高解像度の顔撮影を行い、3Dモデリングの測定値:シワの軽減度
- 皮脂産生と経皮水分蒸散量(TEWL):肌のバリア機能
の検証を行いました。
複数の高解像度カメラを使用することで、どのようなシワも3Dで復元することができるとのこと。恐ろしいですね。
16週間アーモンドを食べ続けた結果
では16週間アーモンドを食べ続けた結果、この実験で明らかになったことをまとめて見ます。
アーモンド摂取グループ | 同カロリーのおやつ摂取グループ | |
シワの幅 | 非摂取グループより10%減少 | – |
シワの重症度 | 非摂取グループより9%減少 | – |
皮脂生産量 | 変化なし | 変化なし |
経皮水分蒸発量 | 変化なし | 変化なし |
肌のバリア機能 | 変化なし | 変化なし |
シワの幅・重症度は、調査開始時、4週間経過時、8週間経過時、12週間経過時、16週間経過時に対照群と比較した結果です。
皮脂生産量・経皮水分蒸発量は、調査開始時から8週間経過時、16週間経過時、両グループともに有意な差は見られていません。
肌のバリア機能は、調査開始時と16週間経過時を比較し、両グループで有意な差は見られていません。
肌のバリア機能とは、肌バリアの強度と、水分の蒸散(TEWL)や環境に存在する有害な刺激物から、どの程度肌を保護することができるかを測定するものです。
重症度スコアは、シワの深さと長さに基づき算出されています。
でも、エイジングは16週間以上も続くから・・・
加齢は長期にわたるプロセスなので、16週間の実験結果では一般化することは困難です。
肌の老化は本来複数要素が絡むもので、紫外線にあたる頻度やストレスなどは考慮されていません。また、こうした老化の交絡因子には個人差もあります。(喫煙歴がある人は除外されています)
今回の調査では、表面的な変化(3Dモデリングによる比較)に限定されていて、コラーゲン生成に関しては測定を行われていません。
また、この結果は閉経後の健康な女性に限定されていますし、被験者の人数が限られたパイロットスタディであると言うことは忘れてはいけませんね。
参考資料:アーモンドの消費が皮膚の脂質とシワに及ぼす影響に関するパイロット研究(Wiley Online Library)
アーモンドはやっぱり毎日食べた方がいい
アーモンドは、抗酸化物質であるビタミンEが豊富なうえに、必須脂肪酸やポリフェノールも含まれています。
この研究ではアーモンドを食べることで、皮膚の光老化を防ぐ可能性があることがわかりました。
また以前は、皮脂の排出率がシワの重症度と関連があるとされていましたが、この実験で皮脂の排泄率が変わらないままでも、しわの重症度を改善できることが明らかになりました。
1日の合計摂取カロリーの20%をアーモンドに置き換えた実験でしたが、今後はシワが軽減できるのに最小限のアーモンドの摂取量を算出することが求められますね。
今回の実験では約60gのアーモンドを、毎日おやつとして食べていました。
60gは大体アーモンド60粒。かなりの量を毎日飽きずに食べ続けるのには無理が出てくるように思います。
食事にアーモンドを取り入れたり、お菓子として加工したものを取り入れるなど、工夫していきたいですね。