アーモンドと言えば、高カロリーなイメージがありませんか?
ローストアーモンドのカロリー表示を見て、ちょっと食欲が抑えられたって経験が私にもあります(笑)
高カロリーイメージなアーモンド。実は、最近の研究によると、そうでもないことがわかったんです。
アーモンドは、現在表記されているカロリーよりも32%も少ないということが実験の結果で明らかになりました。
今回は、UDSA(アメリカ合衆国農務省)の研究を元に、American Journal of Clinical Nutritionの記事をご紹介いたします。
アーモンドのカロリー表記は嘘なの?
アーモンド100gあたりのカロリーは、598kcal。1gあたりにすると約6kcal程度と表記されていると思います。
UDSA(アメリカ合衆国農務省)の研究によると、アーモンドのカロリーはそれよりも32%程低いという結果になっています。
そうなると、アーモンド100gあたりのカロリーは407kcal。1gあたりは4kcalということになりますね。
なんか随分カロリー減ったね。
では、どうしてそんな研究結果になったのか、詳しく見ていきましょう。
そもそもカロリーって何?どうやって食品のカロリーを計算しているの?
カロリーとは、体内エネルギーを把握するための指標です。
1ℓの水の温度を1℃上げるために必要なエネルギーが1kcalとされています。
人間も生きていく為には常にエネルギーが必要なのですが、その人間に必要なエネルギーの源というのが私たちが毎日口にしている食料ですよね。
食品のエネルギー換算係数
食品のエネルギーは、炭水化物(糖質)、脂質、タンパク質の三大栄養素から計算されます。
この三大栄養素を燃やすと、1gあたり炭水化物4.1kcal、脂質9.4kcal、タンパク質5.7kcalの熱が発生します。
しかし、実際に私たちの体内ではすべてが消化吸収されるわけではないので、その数値よりも少ないエネルギーしか得ることができません。
ルブナーとアトウォーターという学者が導き出した食品のエネルギーの値は、1gあたり炭水化物4kcal、脂質9kcal、タンパク質4kcal。この値が、人間の体の中で利用できるエネルギーの値になります。
食品のカロリーは、この数値に三大栄養素の重量(g)を掛けることで算出されているんですね。
これは、実際に被験者が食品を食べ、発生する熱や呼気の成分、消化吸収率を調べることで導き出された数値です。
食べた食品のエネルギーは、消化されて体内に蓄えられ必要に応じて放出さるのですが、放出するエネルギーは、10%が消化、20%が運動するエネルギー、70%が臓器や体内組織で使われています。
先ほどもお伝えしたように、食品に含まれているカロリーを人間は全て摂取することはできません。
例えば、アーモンドは食物繊維が多い食品ですが、食物繊維の多い食べ物は消化吸収に大きなエネルギーが必要なんですね。
なので、アーモンドを食べて摂取できるカロリーは、実質的には少ないというわけなんです。
どうしてアーモンドのカロリーは間違っていたの?
科学者は、このように「食品によって消化吸収のされ方が違う」ことを考慮して、各食品のカロリーを算出していました。
でもナッツ類に関しては、ごく最近までしっかりとした研究がされていませんでした。
そのため、正確なカロリーが表記されていたわけではないんですね。
最近の研究で得られたアーモンドのカロリーは?
UDSA(アメリカ合衆国農務省)の研究者は、被験者にナッツを含む食品とナッツを含まない食事をして、消化後にどのくらいの熱量が残っているかという実験を行いました。
基本的には、被験者が食べる食事を燃焼させてカロリーを算出。被験者の排泄物を燃焼させ、消化後にどれくらいの熱量があるかを算出しています。
例えば、2000 kcal(8.37 MJ)が必要であると推定される被験者に、63 gのアーモンドが毎日提供されました。
このようにして、数々の実験を通して食品のカロリーが導き出されているんです。
大変な実験だよね。
このことで得られたのは、アーモンドが32%、くるみが21%、カシューナッツが16%も今まで表記されていたカロリーよりも低いという結果なんです。
食物繊維が多く、脂肪燃焼効果があるビタミンB2を多く含んでいるアーモンドは、実際のところ考えられていたカロリーよりも随分低い数値だったということですね。