アーモンドは食物繊維を豊富に含む食品です。
食物繊維と言えば、お通じを良くするなど整腸効果が高い成分として知られていますが、それだけでないことをご存じでしょうか?
アーモンドに含まれる食物繊維は、不溶性食物繊維がメインです。
その不溶性食物繊維の効果、アーモンドの食物繊維を上手に利用する方法をご紹介します。
アーモンドに含まれる食物繊維の種類ってどんなの?
アーモンド可食部100gあたりに含まれる食物繊維
生アーモンド | ローストアーモンド | ||
食物繊維 | 水溶性 | 0.8g | 1.1g |
不溶性 | 9.3g | 10.0g |
ご覧いただいたように、アーモンドには不溶性食物繊維が豊富に含まれています。
アーモンドに含まれる食物繊維は、レタスの約9倍、ゴボウの1.6倍。
これを聞いただけでも、なんだかお腹の調子が良くなってくるような気がしませんか(笑)
しないよ。
水溶性食物繊維と不溶性食物繊維って何が違う?
食物繊維は、消化・吸収されずに大腸まで達する食品成分です。
その種類は大きく分けると、水に溶けるタイプの水溶性と、水に溶けない不溶性の2種類にがあります。
それでは、主な特徴をあげてみます。
水溶性食物繊維:ネバネバ・サラサラ
水溶性食物繊維は、その名の通り水に溶ける食物繊維で、腸内細菌のエサになって腸内環境を整える働きがあります。
ネバネバやサラサラした状態のものなのですが、水に溶けるとゼリー状になります。
粘着性があるため胃腸をゆっくりと移動し腹持ちもよく、小腸での栄養素の吸収の速度を緩やかにし、食後の血糖値の上昇を抑える働きもします。
昆布、わかめなどの海藻類・里芋・こんにゃく・大麦・アボカド・みかんなど
不溶性食物繊維:ボソボソ・ザラザラ
不溶性食物繊維は、水に溶けずに水分や老廃物などを吸着して、便の量を増やす働きがあります。
便が増えると大腸が刺激されるので、排便がスムーズに。
その際に、有害物質も吸着させて体外へ排出させる働きもあります。
不溶性食物繊維を多く含む食品は、硬いのが特徴です。よく噛んで食べるので満腹感を得ることができるのと共に、消化に時間がかかるので腹持ちがいいんです。
ゴボウ・干し柿・りんご・豆類・穀類・キノコ類など
また、水溶性・不溶性ともに大腸内で発酵、分解されてビフィズス菌など善玉腸内細菌のエサになるんです。腸内環境を整えるには、善玉菌の増加が重要だということはご存じですよね。
アーモンドとその他食物繊維を多く含む食品の比較
可食部100gあたりの食物繊維量
食品名 | 水溶性食物繊維 | 不溶性食物繊維 | 総量 |
生アーモンド | 0.8g | 9.3g | 10.1g |
ローストアーモンド | 1.1g | 10.0g | 11.1g |
オートミール | 3.2g | 6.2g | 9.4g |
切り干し大根 | 3.6g | 17.1g | 20.7g |
ゴボウ | 2.3g | 3.4g | 5.7g |
モロヘイヤ | 1.3g | 4.6g | 5.9g |
干し椎茸 | 3.0g | 38.0g | 41.0g |
干しいちじく | 3.3g | 7.6g | 10.9g |
干しプルーン | 3.4g | 3.8g | 7.2g |
アボカド | 1.7g | 3.6g | 5.3g |
ひきわり納豆 | 2.0g | 3.9g | 5.9g |
食物繊維を多く含む食品と比較してみましたが、アーモンドもかなりの量の食物繊維を含んでいることがお分かりいただけると思います。
だったら、毎日の食生活に上手に取り入れたいな。
食物繊維の効果はお通じだけじゃない
お腹をスッキリさせるイメージの食物繊維ですが、腸内環境が整いお通じが良くなることで色々なメリットが出てきます。
- 食物繊維は腸内を綺麗に掃除してくれるので、腸壁が強化され免疫力アップに繋がります。
- コレステロールを吸着し体外に排出するので、血液中のコレステロール値を下げる働きがあります。
- ナトリウムを排出するので、高血圧予防に繋がります。
- 低カロリー、さらに糖質や脂質などの消化吸収を低下させるので、肥満の予防にもなります。
腸は消化吸収のほかにも免疫機能もあり、「第二の脳」とも呼ばれています。
食物繊維をしっかりとって、綺麗にお掃除しておきたいですね。
アーモンドに含まれる食物繊維の効果って?
イギリスのキングス・カレッジ・ロンドンで行われた研究で、アーモンドの食物繊維が腸内で脂質の吸収を阻害し、余分なエネルギーが体内に蓄積されるのを防ぐことが判明しました。
同校のピーター・エリス博士は、アーモンドが体重管理や肥満による疾患対策に貢献。さらには、消化吸収される脂質の比率を下げることで、心疾患のリスクを減少させる効果もあると述べています。
また、アーモンドの食物繊維はオリゴ糖と比較して、優位に善玉菌を増加する経過時間があることがわかりました。
- 腸で脂質の吸収を阻害する働き
- 善玉菌を増やす働き
1日にどのくらいの食物繊維が必要なの?
日本人の食物繊維摂取量は、年々低下しています。
その理由は、肉や乳製品が多い食事が増え、米などの穀類を食べる量が減ってきたからだと言われています。
いわゆる食の欧米化だね。
日本人男性に必要な1日当たりの食物繊維量は、18歳~69歳までで20g以上。女性は18g以上とされています。
現在では、日本人の平均食物繊維摂取量は、1日15gを下回っていてとても足りていないんです。
食物繊維が不足すると?
食物繊維が不足すると、腸内のお掃除がきれいにできず、善玉菌のエサも少なくなり、腸内環境が悪化します。
便秘になりやすくなるってことだね。
また、生活習慣病のリスクが高くなるとも言われています。
日々の食生活では、食物繊維が足りていないということを意識して、食物繊維が豊富な食品を食べていきたいですね。
そのために、アーモンドを1日の食生活に取り入れるのはとてもおすすめです。
アーモンドの食物繊維を上手にとる方法
アーモンドは1日に25粒程度食べるのが適量とされています。
アーモンド25粒だと、食物繊維が約2.8g程度摂取できます。
男性は20g以上、女性は18g以上の食物繊維を1日に摂取が必要でしたよね?
現在の日本人の平均食物繊維摂取量が1日15gと足りていないのが現実なので、1日の食生活にアーモンドをプラスすると理想に近づくことができます。
では、アーモンドの食物繊維を効率的に摂るにはどうしたらいいのか?その方法をご紹介します。
不溶性食物繊維2:水溶性食物繊維1のバランスで
食物繊維を摂るときは、不溶性と水溶性を2対1の割合で摂ることが理想とされています。
アーモンドは不溶性食物繊維の割合が約90%なので、水溶性食物繊維を多く含む食品と組み合わせることがベストです。
とは言え、数字ばかり考え過ぎても美味しくないので、ざっくりと水溶性を多く含む果物類と一緒に食べるイメージだといいと思います。
十分な水分と一緒に食べてカチカチ便を防ごう
食物繊維はお通じを整えてくれる効果がありますが、水分不足で大量の食物繊維を摂ってしまうと、便が硬くなり逆に便秘の原因になってしまいます。
アーモンドを食べるときも、水分を十分にとりながらがベストです。
水分と言えば、アーモンドミルクがいいのでは?と思いますが、市販のものですと食物繊維を上手に摂ることができません。
アーモンドの食物繊維を丸ごと味わうには、アーモンドミルクは手作りで濾さずに飲むといいですよ。
市販品のアーモンドミルクのオススメはこちら!
よく噛んで消化をよくしよう
アーモンドは不溶性食物繊維を多く含んでいるので硬く、消化に時間がかかります。
アーモンドをよく噛んで食べることで、満腹度もアップしますし消化を助けてくれます。
お料理に使う時は、ミルサーなどで砕いてから使ってもいいですね。
でも、スライスアーモンドやダイスアーモンドなど、細かくして販売されているものは、酸化している可能性もありますので、できれば食べる直前に細かくして使うことをおすすめします。
発酵食品と一緒に食べてパワーアップ
ヨーグルトやチーズ、納豆などの発酵食品と一緒に食べることで、食物繊維のお腹のお掃除パワーがアップします。
アーモンドの食物繊維には、善玉菌を増やす働きがあります。
例えば、朝食やおやつにこんなメニューはいかがでしょうか?
オートミール・アーモンド・フルーツにヨーグルトをかけて食べれば、食物繊維不足を補う一品になりますよ。
アーモンドを毎日の生活に取り入れて、上手に食物繊維を摂ってくださいね。