アーモンドは天然のサプリメントと言われるほど、その栄養成分は豊富です。
脂質が多く、敬遠されがちだったアーモンドですが、最近ではその豊富な栄養素と効果が見直され、美容食や健康食としても人気が出てきましたよね?
では、アーモンドに含まれる栄養成分を詳しく見てみましょう。
アーモンドの栄養価を知れば、何気なく食べているその一粒一粒をじっくり味わって食べられちゃいますよ!
アーモンドの栄養成分は?天然のサプリメントと呼ばれる理由
ナッツ類は一粒に栄養がギューッと詰め込まれた食品なのですが、中でもアーモンドが「天然のサプリメント」と呼ばれる理由は、その高い栄養価と効果によるものです。
では、実際に私たちがよく口にする、くるみとピーナッツと比較してみます。
一般的輸入アーモンド可食部100gあたりの栄養素
エネルギー | たんぱく質 | 脂質 | 炭水化物 | ナトリウム | カリウム | カルシウム | マグネシウム | リン | 鉄 | 亜鉛 | 銅 | |
アーモンド | 598㎉ | 18.6g | 54.2g | 19.7g | 4㎎ | 770㎎ | 230㎎ | 310㎎ | 500㎎ | 4.7㎎ | 4.0㎎ | 1.35㎎ |
くるみ | 674㎉ | 14.6g | 68.8g | 11.7g | 4㎎ | 540㎎ | 85㎎ | 150㎎ | 280㎎ | 2.6㎎ | 2.6㎎ | 1.21㎎ |
ピーナッツ | 562㎉ | 25.4g | 47.5g | 18.8g | 2㎎ | 740㎎ | 50㎎ | 170㎎ | 380㎎ | 1.6㎎ | 2.3㎎ | 0.59㎎ |
トコフェロール(ビタミンE) | 脂肪酸 | 食物繊維 | ||||||||||||||||||||
α | β | γ | δ | B2 | ナイアシン | 葉酸 | 飽和 | 一価不飽和 | 多価不飽和 | 水溶性 | 不溶性 | 総量 | ||||||||||
アーモンド | 31.0㎎ | 0.4㎎ | 0.7㎎ | 0㎎ | 0.92㎎ | 3.5㎎ | 63㎍ | 4.13㎎ | 35.16㎎ | 12.68㎎ | 0.8g | 9.6g | 10.4g | |||||||||
くるみ | 1.2㎎ | 0.1㎎ | 23.6㎎ | 2.6㎎ | 0.15㎎ | 1.0㎎ | 91㎍ | 6.87㎎ | 10.26㎎ | 50.28㎎ | 0.6g | 6.9g | 7.5g | |||||||||
ピーナッツ | 10.1㎎ | 0.4㎎ | 6.0㎎ | 0.3㎎ | 0.10㎎ | 17.0㎎ | 76㎍ | 8.33㎎ | 22.76㎎ | 13.74㎎ | 0.4g | 7.0g | 7.4g |
文部科学省 第2章 五訂増補日本食品標準成分表より
成分表を見てお分かりの通り、ビタミンE・ビタミンB2・カルシウム・マグネシウム・リン・鉄・亜鉛・銅・食物繊維など突出した栄養価ですよね。
アーモンド一粒の栄養価
では、アーモンド一粒あたりの栄養価はと言うと、以下のようになります。(アーモンド一粒は約1g)
一般的輸入アーモンド一粒あたりの栄養素
エネルギー | たんぱく質 | 脂質 | 炭水化物 | ナトリウム | カリウム | カルシウム | マグネシウム | リン | 鉄 | 亜鉛 | 銅 | |
アーモンド | 6㎉ | 186mg | 542mg | 197mg | 0.04㎎ | 0.77㎎ | 0.23㎎ | 0.31㎎ | 0.5㎎ | 0.047㎎ | 0.04㎎ | 0.013㎎ |
トコフェロール(ビタミンE) | 脂肪酸 | 食物繊維 | ||||||||||||||||||||
α | β | γ | δ | B2 | ナイアシン | 葉酸 | 飽和 | 一価不飽和 | 多価不飽和 | 水溶性 | 不溶性 | 総量 | ||||||||||
アーモンド | 0.31㎎ | 0.004㎎ | 0.007㎎ | 0㎎ | 0.009㎎ | 0.035㎎ | 0.63㎍ | 0.041㎎ | 0.35㎎ | 0.12㎎ | 8mg | 9.6mg | 10mg |
筋肉・骨・血液の材料タンパク質
アーモンドはタンパク質も多く含む食品です。1粒あたり約186㎎と、豚ロースや鳥砂肝、カマンベールチーズなどと同じくらいの含有量です。
筋肉を鍛えているなら、毎日の生活にアーモンドを取り入れるのはオススメです。
筋トレの効果を高めたい場合は、筋トレの後にアーモンドを食べるといいですね。なるべく筋トレ後30分以内に食べるようにして、疲労回復に役立てたいです。
肉類・魚介類・卵類・大豆製品・乳製品
アーモンドに含まれる脂質は良質!
アーモンドのカロリーが高めなのは、全体の栄養素の約50%が脂質のためです。アーモンド一粒あたりの脂質は542㎎です。
しかし、アーモンドに含まれる脂質の多くは、良質な脂質であるオレイン酸とリノール酸。不飽和脂肪酸と呼ばれるこの脂質は、体内で作りだすことができません。
植物油や魚にも含まれる成分ですが、アーモンドにも多く含まれています。
不飽和脂肪酸のメリットは、体内で固まりにくいため血液の流れをスムーズにすると言うことです。
コレステロール値の安定や、LDL(悪玉)コレステロールの減少させるなどの効果が期待できます。
また、血圧を低下させることで、血栓や動脈硬化を防ぐ効果も期待できる栄養素と言われています。
オレイン酸はナッツ類・オリーブオイル・アボカド、リノール酸は植物油・ピーナッツ
アンチエイジングのビタミンE
アンチエイジングのビタミンと知られているのが、ビタミンE。アーモンド一粒あたりにも32㎎含まれています。
このアーモンドのビタミンE含有量は、ビタミンEを多く含む食品の中でもトップクラスです。
さらに、体内で一番生理作用が強いものはαで、アーモンドはかなり豊富に含まれているのが上記の表でわかりますよね。
ビタミンEがどうしてアンチエイジングのビタミンと呼ばれているのかは、活性酸素の生成を抑えて体の酸化を防ぐ働きがあるからです。
活性酸素は、紫外線や空気、熱などの刺激によって体内で発生します。活性酸素はアーモンドにも含まれる不飽和脂肪酸(脂質)も酸化させ、細胞や血管などの組織を老化させていきます。
ビタミンEはその活性酸素を抑えることができるので、アーモンドを食べて摂取した不飽和脂肪酸を効率よく体内に届けることができるんですね。
また、ビタミンEには血液の流れをスムーズにする働きもあります。肩こりや冷え性のみでなく、妊活の手助けもできるビタミンです。
身体を温めてくれる効果もあるので、女性にとって欠かせないビタミンなんですね。
ヒマワリ油・うなぎ・赤ピーマン
発育・代謝のビタミンB2
ビタミンB2は、バランスの良い食事を心がけていても、中々足りていない栄養素だと言われています。それは、体内でビタミンB2が大量に消費されていることにも関係しています。
ビタミンB2は、糖質、脂質、タンパク質を体内でエネルギーにするなど、代謝に使われている栄養素です。外食などで簡単に済ませてしまっていると、どうしても栄養は偏りがちで糖質や脂質の多い食事になってしまいます。
また、ストレスもビタミンB2が大量消費される原因にもなっています。現代社会を生きる私たちにとって、ビタミンB2が不足しがちなのは仕方がないようにも思えますね。
ビタミンB2は皮膚や粘膜、髪や爪などをすこやかに保って、細胞の再生を助けたり、生活習慣病の改善・予防にも効果的な栄養素です。
不足してしまうと、皮膚や粘膜のトラブル、倦怠感や貧血、眼精疲労などを引き起こしてしまうgん院になります。
アーモンドはビタミンB2を多く含んだ食品です。ビタミンB2は水溶性ビタミンなので、水に溶けだしてしまいます。
その点、アーモンドならそのまま気にせず食べられます。普段の食生活にプラスして、ビタミンB2不足を補っていきたいですね。
レバー・牛乳・卵・納豆
食物繊維ですっきり!
食物繊維には、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維があります。
アーモンドに含まれているのは、主に不溶性。不溶性食物繊維は、保水性が高く胃や腸で水分を吸収して膨らみます。
そして、腸内で発酵・分解されることで乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌が増え、腸内環境が良くなり、整腸作用にも繋がります。
不溶性食物繊維を多く含む食べ物は、硬くて歯ごたえのいい食感のものが多いのですが、良く噛んで食べることで食べすぎの防止や満腹感を得るのにも役立ちます。
食物繊維も、不足しがちな栄養素だと言われています。数粒でちょっとした空腹も抑えられるので、間食するのには丁度いいですよ。
豆類・穀物類・キノコ類
その他に含まれるミネラル
アーモンドにはビタミンだけでなく、カルシウム・マグネシウム・カリウム・リン・鉄・亜鉛・銅などのミネラルが豊富に含まれています。
カルシウム:骨や歯の成分として有名ですが、細胞の分裂や筋肉運動、神経働き、出血を止めるなどの働きもあります。
マグネシウム:カルシウムやリンと共に骨を作るミネラルで、代謝にも大きくかかわっています。
カリウム:体内の余分な水分を排出し、むくみ解消したり血圧を低下させるなどの働きもあります。
ナイアシン:エネルギーの生産に関与しているミネラルで、精神を安定させる働きもあります。
リン:骨や歯を正常に発達させるのに必要な成分で、筋肉にも含まれています。
鉄:主に赤血球をつくるヘモグロビンの成分で、酸素を運ぶ重要な役割があります。
亜鉛:皮膚や粘膜を正常に保つ働きがあり、白血球にも含まれているミネラルです。
銅:鉄から赤血球が作られるのを助けるミネラルで、体内酵素の正常な働きや骨の形成を助ける栄養素です。
アーモンドの皮は食べるべき?皮に含まれる栄養成分
アーモンドの皮にはポリフェノールが含まれています。
ポリフェノールはビタミンEと同じように、抗酸化作用がある成分です。
生のアーモンドだと、皮が渋く感じることがあると思いますが、それは皮に含まれているタンニンが影響しています。
浸水やローストで渋みは消えますので、アーモンドは皮ごと食べるのがお勧めです。
アーモンドは生とローストで栄養価は違うの?
生アーモンドとロースト、実はその栄養価はあまり変わりません。
その違いは、味や食感が主なのですが、生で食べるときは注意が必要です。
生アーモンドには酵素の働きを抑制する、酵素抑制物質が含まれています。生アーモンドを食べる際は、水に浸けることで酵素抑制物質が中和されます。
アーモンドミルクは栄養成分が減る?
英国の消費者団体which?は、アーモンドミルクの約97%は水で、アーモンド含有量はたったの1~5%。100mlのアーモンドミルクにアーモンドが1~5個しか含まれていないという記事を公開しました。
アーモンドミルクはすり潰したアーモンドに水を加え、ろ過します。このろ過の工程で食物繊維やたんぱく質、脂質が取り除かれていきます。
アーモンドの栄養を丸ごととりたいなら、市販のアーモンドミルクではなく、手作りがお勧めです。
砂糖や添加物を加えず、ろ過せずに飲めば、アーモンドの栄養を丸ごといただけますよ。
市販品でも、無添加でアーモンドをたっぷり使用したアーモンドミルクもあります。選ぶなら慎重に選びたいですね。
市販品のアーモンドミルクでアーモンドをたっぷり使ったオススメはこちら!